旅立ち | 夜道をチャリで走る会 ~SEX MACHINEGUNSハジマッタカラ〜
人は今いるここに欲しいものがないから
別の場所に
それを求めて
足を踏み出す


ここに欲しいものがないなら
それは絶望しているってことだ


人は絶望するから
その場を離れるんだ




チョッパーは「仲間」が欲しかった
でもあの国に「仲間」はいなかった
誰も「仲間」になってくれなかった
唯一2人の医者だけが彼の理解者だった
でも理解者は「仲間」ではなかった

だからチョッパーは絶望していた

自分には「仲間」なんてできないんだ
自分に「仲間」なんてできるはずないんだ
「仲間」なんて求めてもしかたないんだ
優しい理解者がいるじゃないか
それだけでもじゅうぶんだ
それだけでも幸せなんだ
と考えて絶望しながら我慢して生きていた

だけどチョッパーの前に「仲間」が表れた
あんなに望んでいた「仲間」が

だからチョッパーはあの国を離れた

くれはは知っていた
チョッパーが「仲間」を求めて絶望していることを知っていた
だからくれはは送り出した
優しいトナカイが
理解者を捨てて望みを手にしたとき
罪悪感を感じないように
送り出した

優しいトナカイとの別れの痛みと悲しみを乗り越えて
優しいトナカイの求める幸せを自分がもう渡せない悲しみを
もう優しいトナカイと一緒にいられない痛みを
それらを乗り越えて
送り出した





それからくれはは
胸に桜と帽子を刻んで
優しいトナカイとその仲間に負けないくらい
自分の道を貫いた
同じ使命を持つ者たちをたくさん育て
同じ志を持つ「仲間」を作った





そーゆーことなんだと思うんだ